頚部食道狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術。

2月程前。

ESD時の合併症で頚部食道が狭窄し、食事に制限が出てきた患者さんが訪ねて来られました。

内視鏡で見てみると、確かに狭い。経鼻内視鏡ですら通過しません。しかもかなり食道入口部に近いので、送気も効果的でなく視野が確保出来ません。

自分は正直に言いました。

狭窄部の詳細な評価が難しく、かなり盲目的な操作になります。合併症も生じやすくなりますが、それでもやりますか

患者さんは言いました。やってくれと。

バルーン拡張術を予定しました。

合併症は消化管穿孔からの縦隔炎。

絶食下での操作なのでほぼ保存的加療(絶食補液抗生剤)で軽快しますが、当然手術になることもあります。

Boston社製の食道用バルーンで、1回目は10mmで5分。2回目は1215mmで5分拡張しました。

コツは弱い力で繰り返し拡張するイメージ。

2回目の翌日。

微熱が生じました。咳も出ると。

嫌な予感がしつつ胸部レントゲンを見ると、左の頚部に気腫が確認されました。穿孔を生じたのは明らかでした。

患者さん本人は元気で炎症も軽度でしたので、1週間の絶食、補液、抗生剤で経過観察しました。

幸い、症状も炎症も治り、食事再開後も経過良好で退院となりました。

やっぱり難しいですね。

患者さんが全然変わんないよーとおっしゃったので、もう少しだけと15mm拡張するに至りましたが、結果的には10mmで何度も繰り返すの方が良かったのかもしれません。

今後に生かそうと思います。

御参考下さい。